解説付 臨床工学技士国家試験 第36回 午後:第63問

パルスオキシメータについて正しいのはどれか。3つ選べ。

a: 動脈血の酸素分圧を計測している。

b: 2種類の赤色光によって計測している。

c: 発光ダイオードとフォトダイオードが用いられる。

d: マニュキュアは誤差の要因となる。

e: 強い外光は誤差の要因となる。

パルスオキシメータとは、皮膚を通して動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定するための装置である。赤い光の出るプローブで指をはさむことで測定する。プローブを指先や耳たぶなどに装着し、非侵襲的な方法で、脈拍数とSpO2をリアルタイムでモニタするための医療機器である。モニタ結果を内蔵メモリーに記録できるタイプもある。
プローブは発光部と受光部で構成されている。発光部は赤色光(波長約660 nm)と赤外光(波長約940nm)を発し、これらの光が指先等を透過したものを受光部で測定する。血液中のヘモグロビンは酸素との結合の有無により赤色光と赤外光の吸光度が異なるため、センサーで透過光や反射光を測定して分析することによりSpO2を測定することができる。

a:皮膚を通して動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定するための装置である。

b:発光部は赤色光(波長約660 nm)と赤外光(波長約940nm)を発し、これらの光が指先等を透過したものを受光部で測定する。

c:正解。発光部に発光ダイオード、受光部にフォトダイオードが使用されている。

d:正解。拍動を感知することで、飽和度を測定する動脈血とそうでないものを判別するため、拍動の検知ができない極度の低血圧、極度の末梢の血流低下、無拍動型の人工心肺装置使用時には、正確な測定ができない。通常、光の透過率で飽和度を測定する装置の原理上、一酸化炭素中毒、メトヘモグロビン血症などの場合も、SpO2を正確に測定できない。近年、一酸化炭素結合ヘモグロビンやメトヘモグロビンの吸光度を分離して測定し、これらの比率を連続的に表示できる製品が、販売されている。他にも、マニキュア、色素(メチレンブルーやインドシアニングリーンなど)の投与、電気メスによる電気的干渉、体動、周囲光(アルミホイルによるプローブの遮光が有効)により、測定不能となることがある。

e:正解。太陽光や蛍光灯などの周囲光により、測定不能となることがある。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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